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作者:二代目スレ70氏
投稿日時:2006/09/01(金) 23:30:39
備考:邪ネ申テイストを出すことに加え、231氏が言った『悪のおにゃのこが悪女を仕置きも見たい』に応えることに。



◆8月22日/東京/探索地域:地下鉄構内
     安藤 良子
 終了条件1:邪ネ申テイストを出すためオリキャラを入れる
 終了条件2:>>231を満足させる

 カーステレオから椎名某をメドレーで流しながら、くたびれた弁当屋のスバル・サンバーバンが街をゆく。ダッシュボードに置かれたカーナビ兼小型PCに映し出されるのは、組織内連絡のための秘密ページ。
『ブラックレディーズ全戦闘員に告ぐ。あの目障りな女淫兵を排除せよ。これは我らが幹部ケイト様のご命令である』
「あーあ、壊す男が無くなってとうとうブチ切れちゃったよ、あのボク女。ま、アタシにとっちゃ好都合だけど」
 PCを切ると、彼女はニヤリと笑ってサンバのアクセルを床まで踏み込んだ。店に帰るのは後回し、今はする事がある。
(そろそろ〃フェーズ2〃も試してみたいんだよね。なのに間抜けの政府と来たら、ダッチごときにてこずっちゃって)
 こうなったら彼女――今は仮に良子と呼んでおこう――が自らの手で、女淫兵の数を減らしてやらねば。
 巧みなハンドルさばきで操られ、弁当屋のサンバは百貨店の地下駐車場へと消えた。ややあって代わりに出てきたのは自衛隊の軽装甲機動車、通称ライトアーマーだ。商品同様、これも盗品である。
 銃座のMINIMIはロボット化され、一人でもプロポで運転席から操作できるようになっている。
『警ら隊三号車から本部どうぞ、渋谷駅付近に女淫兵えー……百人あまり出現、至急ハンターの出動乞う』
『本部了解、三号車ただちに帰投して下さいどうぞ』
 無線機から流れてくる警察無線を頼りに、良子はライトアーマーを走らせた。
 ほどなくして銃声と怒声、女淫兵の悲鳴が近づき、良子は運転席に座ったまま、銃座のプロポを取り出す。セックスバトルを果敢に挑むも銃で撃ちまくられ、女淫兵が敗走してくる。ここからは角になって現場は見えないが、ハンター側も何人か押し倒されて犠牲になったらしく、仲間を呼ぶ悲痛な声やいまわの際の絶叫が街に響く。
「う~ん、いーねいーね。やっぱ戦場はこうじゃなきゃね、ヒヒヒ」
 口の端をゆがめてほくそ笑み、良子はプロポの発射ボタンを押した。銃座が火を噴き、逃げてきた女淫兵を蜂の巣にする。
「うぐぁっ!」
「げふぅっ!」
 たちまち十数人が心臓部を撃ちぬかれて跳び上がり、もんどりうって地面に転がった。
 路面に冷却水をぶちまけながらギクギクと痙攣を繰り返す仲間を見て、後から来た兵士が愕然としている。顔に恐怖を浮かべて周囲を見渡すが、哀しいかな〃中の人〃に軍事知識がないのでライトアーマーを判別できない。
 ようやく一台の車の天井にある銃座に気づいた時、最後の一人に新NATO基準の5.56mm弾が襲い掛かる。一分毎に六五〇発という凄まじい掃射をくらい、彼女の首から上がきれいに吹き飛んだ。
 残った胴体はフラフラ彷徨ったあげく車道によろめき出て、何も知らずに走ってきた軽トラに轢かれた。
「ぎゃっはっはっはっは! バーカバーカ、くそオナホ」
 手を叩いて爆笑している最中、良子は視線を感じて左前方を見た。
 コンビニの前で中学生くらいの少女が二人、女淫兵の死体とこっちを交互に見くらべている。
(お、カモ発見)
 良子はすぐさまサイドブレーキを引くと銃座のプロポを持って車を降り、二人に走り寄った。
「ねーねー、あんたらもコレやってみない? ゲームみたいで楽しいよ」
「えっ? でも……」
 口ごもって後ずさる彼女らに、良子はわざと馴れ馴れしい態度で話し掛ける。
「だってさー、あいつら超ウザくね? 彼氏殺されたコとか友達にいない? 仇とるチャンスだよ!」
 途端にはっと顔を上げ、二人は顔を見合わせた。心当たりがあるらしい。ビンゴだ。
「十字キーで回転、赤いボタンで発射、他のボタンは意味ないからね。じゃ、頑張って」
 嬉々としてプロポをいじりだす中学生を尻目に、良子は再び弁当屋のサンバに乗り換えると目黒駅を目指した。
 女淫兵は普段、地下からやってくる。この混乱ぶりでは警察も気づいていないだろうが、実は侵攻の際に埼玉高速鉄道線から南北線へ無理矢理乗り入れた兵員輸送列車が、終点の目黒駅に停車しているのだ。
 エプロンを助手席に放り出すと、良子は無人と化した駅ビル内へと侵入した。見張りは改札前に一般兵が二体。
 数が少ない理由は明白、あのライトアーマーだ。今ごろ渋谷駅前は、押し寄せる女淫兵と良子の〃即席手下〃の激戦だろう。
 改札機にもたれて腕を組み、頭を垂れている歩哨の姿は人間が居眠りしている様子に酷似している。壊れているようにも見えたが、近づくと片方がたちまち警戒モードへと以降し、良子を睨み付けた。
「誰!? ここから先は通っちゃいけないのよ」
 もう一人も微かな電子音をあげて起動し、もたれて腕を組んだまま相棒と侵入者を見つめている。
「えへへぇ、女淫兵のおねーさんみーっけ! ねえ、エッチしよエッチー!」
 良子はわざとアホの子のように叫び、女淫兵に抱きついて豊満なバストに顔を埋めた。
「はぁ? ちょっと、女淫兵は女とはセックスしないのよ! 女同士でなんて……」
 プログラムにない事を求められ、当惑する一般兵。それでも服の上から乳首を吸われ、段々と股間が湿ってきた。
 彼女らは想定外の事態が起こった場合、案外押しに弱い。良子はそれをよく知っている。中の人がそうだからだ。
「ねえ~いいでしょー。この上にいい場所あるんだー。行こう、ねえ、いこいこ」
「もうー、お姉さんは忙しいのに……」
 眉をひそめてそうこぼしながらも、彼女はもう一人の見張りに無言でうなずきかけた。相棒は苦笑してうなずき返す。
「しょうがないわね、ちょっとだけよ」
「わーい」
 女淫兵の手を引いてエレベーターに乗り込むと、良子は迷わず最上階のボタンを押した。ドアが閉まるのも待たず、連れてきた女淫兵に後ろから抱きつき、パンティの上から秘部の感触を存分に楽しむ。
「あっは……ああん、こんなところでぇ……ひぅん、あひぃっ」
 グチョグチョと愛液が掻き回される音が響き、立っていられなくなった女淫兵は股を広げたまま腰を落としていく。
「あはは、お姉さんかわいー」
 そして最上階に到着したエレベーターが開いた時、良子はスカートの下に隠していたバヨネットを、やおら女淫兵の首に突き立てた。
「あっ!? が、がはぁっ!」
 何が起きたか理解できないまま、女淫兵は良子を振り解こうとジタバタ暴れる。良子は抵抗にも慌てることなく、突き立てた刃をクイクイと左右に動かした。
 ――ブツンッ! 
「ゴフッ…………!!」
 頚部のコードが切れ、バヨネットが抜かれると同時に女淫兵はビクビクと痙攣し、がに股のまま腰を振って冷却水を垂れ流す。
 その女淫兵を、良子は邪魔だとばかりにフロアへ蹴り飛ばした。
「まずは一人、と……」
 自分のパンツを脱ぎ、膣から取り出したビニール袋入りのC4をエレベーターに設置すると、空のまま一階に返した。
「さあて、これからが骨だわ」
 配電室にも同じ細工を施し、エスカレーターで二階まで降りる。コンコースへ続く大階段の脇で隠れていると案の定、もう一人の見張りはそわそわしていた。空のエレベーターだけ到着して相棒が帰ってこないので、心配になってきたのだろう。
 持ち場を離れて確認に行くべきか、それとも任務を優先して留まるべきか迷っている。
 結局、彼女は相棒への心配を抑えられなかった。エレベーターのボタンを押し、開いた箱に乗る。ドアが閉まった直後、良子は改札出口と入口改札の間にある柱へ走った。
 エレベーターに仕掛けた爆弾には、破壊力を増すために良子がしてきたベルトがくくり付けてある。
 飾りのリベットが山ほど打ち込まれた、すぐさまクレイモア地雷の材料になるベルトが。
(三階……四階……最上階!)
 良子はリモコン信管のスイッチを押した。遠くで爆発音が響き、ビルが微かに揺れる。改札を飛び越え、良子は来るべき大音響と騒動に備え、エスカレーターの向かいにある低い壁へ隠れた。
 予想通り、破壊されたエレベーターの箱が落ちてきた。すさまじい音が響き渡り、今度は大きな揺れが起こる。
「ちょっと、今のは何の音なの!」
 ややあって下のプラットホームから、わらわらと二十人ばかりの女淫兵小隊が上がってきた。すぐに見張りが消えているのに気づいた彼女らは、煙を上げているエレベーター扉に恐る恐る近づく。
 ――キンコーン……
 涼しげな音を立て、一人が押した『一階』ボタンに応じ、エレベーターのドアが開いた。
「うっ!?」
「何なのこれ!」
「ひ、ひどい!」
 彼女らが見たものは、爆発の衝撃と飛散したリベットでズタズタにされた、仲間の無残な死体だった。
 上半身は焼け焦げ、まだ動く右足だけが力なく、エレベーターの壁をゴツン、ゴツンと蹴っている。
 小隊長はしばし唇を噛んで変わり果てた部下の姿を眺めていたが、気丈にも顔を上げて指示を出した。
「やった奴はまだ上の階にいる筈よ、手分けして探して! 散開!」
「はっ!」
 小隊が大階段を上がり、駅ビル内に散らばっていくのを確認すると、良子は今度は配電盤にしかけた爆弾を起動させた。ビル全体が闇に包まれ、肉眼では何も見えなくなってしまった。と同時にヒラリと身を躍らせ、止まったエスカレーターの下へ飛び降りる。そして胸の谷間から暗視ゴーグルをとり出した。
 別電源になっているのではないかと心配したが、ついているのは非常口を示すランプだけ、それも所々しか残っていない。
 上りホームには南北線の電車、下りホームには普通の電車を押しつぶし、禍々しい形の女淫兵搬送列車が停まっている。
 ここに良子の目当てがいるはずだ。邪神軍の中でたった一体しか造られなかった、女淫兵の大佐が。

女淫兵大佐
(女淫兵大佐のイラストby二代目スレ296氏)

 一般兵と尉官は占領用のユニットだが、大佐だけは違う。彼女は無線中継機なのだ。
アジトから発せられる何千人もの女淫兵を操る電波を、大佐が増幅して発信している。それが死んだら――壊れたら――どうなるか。答えは明らかだ。
 都合のいいことに、全く視界の利かなくなった大佐は、列車から出てウロウロしていた。
 「みんな、どこなの? どこにいるの……?」
 高校生くらいのボディに、ツインテールで露出度の高い赤色の制服。プリーツスカートと黒のネクタイが特徴的だ。
 こいつは他の兵士のような戦闘能力もセックスバトル機能もないが、自己防衛本能を高めに設定してある。
「どこなの? さっきの音はなに? ねえ、誰か……」
 今にも泣きそうな声で周囲をキョロキョロ見渡している大佐に、良子は素早く近寄ってバヨネットをふりかざす。
「ヒッ!?」
 ところが刃が脳天に突き刺さる直前、女淫兵大佐は滑って尻餅をつき、良子のバヨネットは虚しく空を切った。
「あってめえ、避けんじゃねえ!」
 苛立って怒鳴る良子の姿を完全に認めた大佐は、鋭い悲鳴を上げて脱兎のごとく逃げ出した。
「きゃああ、いやぁ! 誰か、誰か助けてぇ!」
 涙を振り飛ばして金切り声を上げ、ヨタヨタ逃げていく姿は『大佐』の称号にひどく不似合いだ。
 実際、彼女はただの怯えきった少女にしか見えない。だから良子が手加減するかと言うと、勿論そんなことはないが。
「待てゴルァ! 死んだれやーっ!」
 追いすがって大佐の髪の毛をむんずと掴み、か細い喉をバヨネットで掻き切ろうとした。
「あっ、3680中尉!」大佐の顔がぱっと希望に輝き、良子の背後を見据える。
「え?」
 振り返ろうとした次の瞬間、良子は腹を蹴られて吹き飛んだ。
 壁に叩きつけられ、床に崩れ落ちそうになるところを、辛うじて良子は踏みとどまる。
 彼女を蹴ったのはポニーテールの士官ユニットだ。中尉らしいが、まだホームに一人残っていたとは。
 セーラー服の下にクッション性のある防弾ベストを着ていなければ、確実に内臓が破裂して死んでいただろう。
 加えて、大佐にも当たるかもしれないと考え、中尉が若干手加減をしたのが幸いした。
「う……ゴホッ! てめぇ……」
 吐きそうになるのを懸命に堪える良子を厳しい目で睨みつけながら、中尉は大佐に向かって必死に叫ぶ。
「大佐、ここは私に任せて下がってください!」
「う、うん」
 大佐はツインテールを揺らしながら、列車の中へと逃げ込んでいった。
「ちっ!」
 バヨネットを逆手に持ち替え、良子が格闘の構えをとる。と言っても、彼女は改造人間でも何でもない。
(おまけにアタシ、格闘戦は苦手だっつの! 必殺専門だっつーの! やっべぇ、どうすんべ……)
 こんなシチュエーションは大誤算だ。気を抜くとパニックになりそうな頭を必死に回転させ、良子は次の手を考える。
「たあーっ!」
「くっ!」
 中尉が繰り出したキックをバック転で回避し、良子は一気にエスカレーターの近くまで逃げた。
(そうだ、ここ角じゃん!)
 思いつくが早いか、彼女の行動は素早かった。スカートのジッパーを一気に下ろし、下半身から剥ぎ取って背後に投げつけたのだ。
「あうっ!?」
 飛んできたスカートを、中尉は自分の顔に掛かる直前、手を振って払いのける。
 だが、スカートが落ちてクリアになった視界に中尉が見たものは、自分めがけて飛んでくる手榴弾だった すさまじい爆発と光をエレベーター裏でやりすごし、良子はそうっと角をのぞき見た。
 中尉は哀れにも両足と右腕を吹き飛ばされ、腹から機械を露出させながら痙攣している。
「へっへっへ、あとはアンタだけだよぉ、たいさちゃ~~ん。ど~こに隠れたのかな~♪」
 暗視ゴーグル、セーラー服の上だけとパンツ、下は濃紺のハイソックスとスニーカーという姿で、彼女はバヨネットを弄ぶ。
「ひーっひっひっひ、隠れてないで~、出ておいで~♪」
 スカート無しでも全く気にしていない。生き延びる為なら、産まれたての赤子を投げつけるのも厭わない。そういう女だ。
 バヨネットを上に投げてはキャッチしつつ進む良子に、奇声と共に横から大佐がぶつかってきたのはその時である。
「う、うわああああああーっ!」
 窮鼠猫を噛むとはまさにこの事。恐怖で錯乱状態になった女淫兵大佐は、果敢にも良子にタックルをかましたのだ。
「がぁっ!」
 床に吹っ飛んだ良子の手から、バヨネットがはなれて座席に刺さる。その隙にまたもや大佐は逃げ出した。
「待ちやがれ糞がぁ!」
 必死に起き上がった良子はバヨネットを引き抜くと猛然と追いすがり、ついにホーム階段で大佐を引き倒した。
「ひぎゃっ!」
 その首へ今度こそ良子のバヨネットが沈みかけるも、大佐は良子の両手首を掴み、涙で顔を歪ませながら最後の抵抗を試みる。
「どうして、どうして私を殺すの!? 私がいないと、父様が困るのよ!」
「ああ、そう。でもアタシはあんたが生きてたほうが困るわけ。だからさっさとくたばれ!」
「いやあ、いやだあああ! うわああーっ!」
 大佐はまるで人間のように泣き叫んで身をよじり、じりじりと押し負けて近づいてくる刃を見つめて叫ぶ。
「もっと生きる! 死にたくないよぉ! 父様と約束したもん! 日本を支配したら、本当の娘にしてくれるって!」
「ハァー? そんなの嘘に決まってんじゃん。たかが人形の分際でナニ寝言いってんの? ちょーウケるんだけどぉ」
「ほ、ホントだもん! 私、人間になるもん! 人間になって、父様と……父様と一緒に……ひ、ひぃい!」
 彼女の言葉を遮って、ゆっくり、ゆうっくりと、バヨネットの刃先が大佐の白い喉に吸い込まれてゆく。
 渾身の力とかなり重い体重をかけ、良子は止めることなく柄まで押し込んだ。
「がっ……がびゅうっ……ごほっ、ごぉっ……ゴボゴボ……」
 目を見開いて全身を強張らせ、口から女淫兵特有の白い血液を吐きながら、大佐は徐々に抵抗する力を失っていった。
 彼女の手が良子の手首から完全にはなれたところで、良子はバヨネットを缶切りのように動かした。
 ゴツッ、バキリ、ブツッと不愉快な音が響き、大佐の首が完全に胴体から切り離される。
 そして静寂が訪れた。腹部バッテリーからの電気で動いていた頭部アンテナは完全に機能を停止し、もう動くことはない。
 自分の仕事に満足し、良子はセーラー服上着のポケットからタバコを取り出してくわえた。
「ありゃ?」
 腰に手をやって怪訝な顔をしてから、彼女は不機嫌そうにタバコをはなした。ライターは、スカートのポケットに入れていたのだ。
「うわ、サイアク~……せっかく百貨店で万引きしたのに。大損害だわ、こりゃ」
 不機嫌ついでに大佐の首を上に放り投げ、落ちてきたところを蹴り飛ばした。
 そのまま踵を返して地上へ向かった良子には知る由もなかったが、蹴られた大佐の首は中尉の死体の傍らに落ちた。
 捻じ曲がった首で大佐の頭部を見つめ、半分しかない顔で涙を流す中尉は、まるで大佐を守れなかったことを詫びているように見え、
中尉に額を向けて転がる大佐の首はあたかも、部下と一緒にひたすら悲しみに沈んでいるように見えるのだった。

***

 新しいスカートを探すのも後回しにして、サンバのシガーソケットで一服する良子の隣で携帯電話が鳴った。
(きたきた、クトゥルフのジジィかな?)
「はい、良子です」電話の相手は予想と違い、女の声だった。
『もしもし、ぼくだけどぉ。ちゃんとやったの? ダークキッドがまだ生きてるじゃない』
 名乗られなくともこいつは声だけで誰だかわかる。変に甘ったるい喋り方のくせに、一人称が〃ぼく〃。
「ああ~、ケイト様ですかぁ。それがねー、あいつ支給された毒薬全部食わせたのに死なないんですよぉ」
『じゃあ他のも試しなよ! まさかきみ、渡されたものしか使わなかったんじゃないだろうね』
「試しましたってぇ! 神経毒から細菌兵器から、アタシ特製の〃寝込むライス〃まで食わせましたぁ」
『で?』
「おいしかったそうです。直接お礼言われました」
 これは嘘だ。いつもダークキッドは弁当を渡しても、ろくすっぽ顔も見ずに生返事しかよこさない。
 が、ケイトは本気にしたらしい。電話の向こうで押し黙る様子が、彼女の驚愕を表している。
「これから暫く監視のみを続けます。そろそろ怪しまれてると思うんで」
『……うん、そーしてぇ。じゃーね』
 それだけ言うと、電話を一方的に切ってしまった。
「〃そーしてぇ〃じゃねえよ、同人大好きボク女のイタイ腐れ痴女が。マンコ刺されて死んじまえ」
 良子は内心、ケイトをバカにして嫌っている。まず乳が良子にもう少しで届くほど大きい。それだけでも許しがたいことだが、さらにエゴが強くて性格が厚かましい。BL団員の中でもとりわけだ。
「なんであのバカ女が巨乳なんだよ! 巨乳が許されるのはアタシみたく清らかな美少女だけだよ。キモーイ」
 キモイを連発しながら吸殻を窓の外へ投げ捨て、サンバを動かしかけて彼女はふと、クラッチを踏んだまま考え込む。
 何だろう、何か忘れているような気がする。確かライトアーマーが……
(あ、いけね。あのキモーイガールズ、どうなったんだろ)
 急いで発進し、渋谷駅前を目指した彼女の目に飛び込んできたのは、ひっくり返されたライトアーマーだった。
「もったいねー。まだ使えたのに」
 激闘の跡を物語るかのように、そこかしこに女淫兵の残骸が横たわり、コンビニのガラスは割れている。
 良子がスカウトした二人の少女は、店内で死んでいた。
 一人は突き飛ばされて商品棚のフックに全身を貫かれ、苦悶の表情のまま息絶えている。
 もう一人はレジ奥まで逃げ、そこで逆上した女淫兵に首を締められたようだ。鬱血した顔で白眼を剥き、舌を出して事切れている。
 床は女淫兵の血と少女たちの血、それに敵味方がいまわの際に漏らした排泄物がぶち撒けられ、ひどい臭いだ。
「あーあ。あんたらも所詮は安っぽいザコだったって事だね」
 世の中には三種類の人間がいる。すぐ死ぬのは安っぽい人間、後で死ぬのはよく訓練された安っぽい人間。
 ――ホント、戦場は地獄だぜぇ! フゥハハハーハァー!
 そして最後が良子やほんの一握りの人間、つまり世の中を生きる術を知っている選ばれし者という訳だ。ザコは使い捨ての道具にされても文句は言えまい。血まみれのカバンを蹴り上げて、良子は中から財布を盗んだ。
「ま、せいぜい親の金で盛大な葬式でも上げてもらいな、厨房ども」
 金だけ抜き取って財布を投げ、サンバに戻るとまた携帯電話が鳴っている。
「はい、良子です」
『わ、わしだ、股介だ! どういうことだ、女淫兵の動作がおかしくなったぞ!』
 やはりクトゥルフはかけてきた。しかも相当取り乱している。全部隊への無線操縦が切れ、焦っているのだろう。
「んー、警察が妨害電波でも始めたんじゃね? 連中もバカじゃないからさぁ」
 笑い出したいのを我慢して深刻ぶった声を出すのは、かなり骨が折れるものだ。
「で? いまアジトなの? あ、そう。これからアタシがこれから言うことをよーく聞いてね。
司令室のコンピューター脇に、緊急用のCD-Rがあるでしょ、それインストールして。ラベルの名前は

       えむ おー しー ハイフン しー おー えす

ものすごい数の警告が出るけど、全部〃無視して実行〃押して。じゃあね」
 電話を切ったあと、良子はプッと吹き出した。口を抑えて激しく肩を震わせ、最大の努力でもって笑いをこらえていたが、
やがて沸き起こる爆笑の衝動に耐え切れず、とうとう腹を抱えて笑い出した。
「ぎゃーっはっはっは! ヒーヒヒヒ! こ~りゃ面白いことになるわ! ( ゚∀゚)アハハハハノヽノヽノヽノ \ / \/ \」
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