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作者:タイツの人さん
投稿日時:2006/09/19(火) 09:47:36, 2006/10/01(日) 12:49:53
備考:「越後屋」の続き。期間が空いたけど、いっぺんに掲載させていただきます。



「そんな馬鹿な!」
うづきはたじろいだ。確かに心臓を突き刺したはずだ。
その証拠に、うづきの刀は血でまみれているし、
おうま自身の胸の辺りは血で真っ赤だ。
「酷いですうづき様」
だがおうまは平然とした顔でこちらの話しかけてくる。
よく見ると口元に血を拭った後がある。
「酷いです…」
おうまは無表情から徐々に泣きそうな顔に変わっていく。
うづきは背筋が寒くなる思いがして刃先をふてん丸から変え、おうまに向けた。
その手元は震え、刀身がカチカチと鳴る。
「どうした?ふるえてい「黙れ!!!」
背後から茶化される気配がして即座に喚く。訳がわからなかった。
「おうま…何故生きている!確かに殺したはずだ!」
「はい。確かにうづき様に殺されました。殺されましたとも」
二度、殺されたと連呼する。その声に怨嗟は感じられないが根に持っているのは明らかだ。
「生き返ったとでも言うのか!」
「…違います」
「ならなんで生きている!おかしいだろ!」
「はい。おかしいですよね」
ぐす、と鼻水をすするおうま。うづきの背後でふてん丸が何か言いそうにしたがまた怒鳴らそうなので止めた。
うづきも相手を追いつめている事に気付いていたが、それ以上に「心臓を刺されて倒れたのに痛そうにもしていない」おうまが、
不思議で怖くてたまらなかった。逃げるより今はその事で頭が一杯だ。
「うりゅしゃいなぁ~。静かにしてくだしゃい~」

と、舌ったらずな声が傍の牢から聴こえてきた。
ふてん丸の記憶が確かなら、そこはお騒がせ忍者の牢だ…

「にゃんですかぁ~」
「!…あしも!?」
うづきはあしもがその牢にいるのを知りながらも驚いてしまった。
先刻見た時は熟睡していたくせに、こんな時だけ起きてくるとはいい加減な、と苛立ちをつのらせる。
「あ、うづき様。あとふてん丸さんに………おうま様!?!?」
眠たそうな顔で順繰りに相手を確認していたあしもはおうまに目が止まった途端「ひっ」と唸った。
「あしも様。おはようございます…」
半ベソで牢の中のあしもにぺこりと頭を下げるおうま。あしもは戸惑ってあたふたしている。
『あしもがおうまに恐怖感を?…というか"様"付け?』とうづきは気になった。
「や、やややや、やばいですうづき様。おうま様がああああ、あたしたちを根絶やしににににに」
支離滅裂といった風で慌てるあしも。続いて、
「ここ殺される死なされる助けてお頭~」
ギャース!と気炎を吐いてどこぞに救難信号を発信しまくっていた。
「その様子だとお主はおうま殿の術を知っているようだな」
ここでの"鬼"とは、あの獣化のことだろう。
『こちらも何故に"殿"?』などと思ったうづきだが先にあしもを問い詰めることにした。
「あしも!あなた、おうまの術を知ってるの?」
「忍法・微塵!にんぽう・みじんっ!に~んぽ~う・みっじぃぃぃんっっっ!!!」
混迷の極みを見せ自慢の自爆技を叫びまくるも肝心の爆薬が無くて無意味に終わる。辺りに石ころを投げるだけだ。
「相変わらず何も考えてなさそうで面白いです、あしも様」
泣き顔でくすくす笑うおうま。自分が混乱の元であることは気にも留めてない様子だ。
「ひいぃ!ごめんなさい許しておうま様~。どうか鬼にならないで~」
土下座どころか全てを地に投げ出して哀願するあしも。眼前の牢など防衛線にすらならないのを知っているのだ。
「あしも様もうづき様同様に私を困らせるのですか?」
「め、めめめ滅相もない~」
「ならブチ殺されてください」
「い、いやですぅ」
「ブチ殺します」
「ひぃ~(泣)」
ふてん丸はそのやり取りを見てついうっかり笑ってしまった。うづきは笑えぬ現状に歯噛みするしかなかった。


~これまでのあらすじ~

時は幕末…絵に描いたような悪代官の用心棒として働いていたくの一・うづき。
普段は越後屋として悪事に荷担する一人二役な生活。だがその二人にも年貢の納め時が来てしまう。
奉行とその仲間たちに現場を押さえられ、悪代官と部下の忍びのほとんどを失い自身も投獄されてしまう。
脱走の手立ても無く困りはてていた時、くの一・おうまが忍びの掟に則りうづきを始末するため現れた。
好機とばかりに遁走を企てながら相手をするうづき。だが、なぜか彼女と交わることになってしまう。
おうまの性の技は恐るべきものだった。しかも絶頂に達した彼女は鬼と化してうづきを喰らおうとする。
危機一髪のところで機転を利かせておうまを刺し、傷つきながらもなんとか抜け出すことに成功したうづき。
出口も目前に迫ったその時、彼女を捕らえた奉行の子飼い忍者・ふてん丸が現れる。
さらに殺したはずのおうまも後ろから迫る。うづきの部下、おっちょこちょいなくの一・あしもも加わり
牢屋はドタバタの様相を呈していた―――――……

さて…くの一が三人。どうしたものか」
うづきたちの方を見て思案顔になるふてん丸。当然、真正面から斬りかかるつもりなどない。
そもそも現状が面白いので傍観を決め込む気だった。だが後のことを考える必要があった。
(共倒れとかしてくれないかなぁ……)などと楽なほうに思考する。
「ちょっと!そこのコッパ忍者。黙って見てないで捕まえなさいよ!」
と、そこに荒っぽい声がかけられる。苛々した様子でうづきが睨んでいた。
ちなみにコッパとは役人に足で使われているパシリな忍のこと、だったと思ふ…
「生憎と自分の命が惜しいのでな。鬼とか爆弾忍者に手折られとぉない」
うづきの発する殺気を軽々と避けながらそんな感じで茶化すふてん丸。
件の鬼と爆弾忍者は先程から牢を間にはさんで騒いでいる。
「忍びの掟に従えないのですか」
「なんでおうま様なんですぅ~。せめて毒物使いの"はまち"ちゃんの手で安らかな眠りを与えてほしかったですぅ~」
「観念しているんですか?あしも様?」
「そりゃ死にたくなんかないですよぉ~!」
それまでの会話から何の進展もなく、完全な平行線で会話が繰り返される。
「くっ。せめておうまの術さえ断てれば、後は何とかなるのに…」
うづきは先の性交時におうまが見せた鬼の形相を、そして自分の膣をズタズタにしようとした巨根を思い出し身震いする。
普段は大人しい娘だっただけにあの瞬間の変貌が殊更恐ろしく思えた。
その恐怖の対象が今、己が知る中でもとびきりお馬鹿な部類の、それも筆頭に位置するあしもと問答し合っている。
穏やかな性格こそ似通っているがどちらも物騒な能力があるのは見逃せない事実だ。
だが、現在のあしもからは肝心の爆薬が抜かれている。おうまに抗う術は皆無のはずだ。
「このままでは役人の手で絞首刑に処せられますよ」
「ひぃ~、嫌ですぅ~」
「でしょう?だからここで大人しくブチ殺されて…」
「それも嫌すぎますぅ~首引っこ抜かれるのも怖いです~」
半泣きになって恐ろしいことを口にするあしも。確かにあの筋肉隆々の鬼の姿なら人など容易く引き千切られてしまうだろう。

「おおそうじゃ。あしも殿、これを」
と、唐突にふてん丸が懐から取り出した何かをあしもに渡す。牢越しだが小さいそれはすんなり隙間を抜けてあしもの手に渡った。
おうまは相手に敵意を感じなかったので傍観していた。うづきはどう逃げ出すかで頭の中が一杯で反応が遅れた。
「ん~?………あっ!あたしの小道具~」
手渡されたもの――手の平大の大きさの巾着袋――を怪しむことなく迷わず開封したあしもは中身を見てぱあっと開けた顔をした。
うづきははっとした表情でふてん丸を見やる。彼はただにやりと口元を歪めただけだった。
あしもはゴソゴソと中を漁って手近な道具を取り出す。
「あしも様の小道具…爆弾ですか?――って、はっ!」
おうまは一瞬何か納得した表情をして、即座に危険を察知してその場を離れた。
「そのとおりっ☆これで脱出ですよぅ!」
未来への光明を見出したあしもは輝く目をした乙女と化して眼前の木の牢を粉砕せんと躍進する。
「忍法・微塵!!」
牢に向けて爆薬を投げ放つあしも。ガカッ!と閃光が瞬き、同時に爆音が――――「あっ(汗)」
…なにか間抜けな声が聞こえた気がしたがとにかく爆薬が破裂し牢は容易く吹き飛び木片を辺りに散乱させた。
同時に砂埃が舞い、おうまもうづきもふてん丸さえもこの瞬間は視界を閉ざされ目の前のから身を守ることに専念した。
ガラガラと天井の一部が鳴り、石の欠片が落ちる。爆発の規模からして崩落の危険は無かろうがうづきはちょっと怖かった。
そして少し時間が経った。徐々に煙が晴れ、視界が開ける。爆破の主たるあしもは分からないが少なくとも3人の忍は無事のようだ。
「げほっ…これはまた派手にやらかしたのぅ」と爆破の発端を担ったふてん丸が最初に口を開いた。
緊張状態を打破せんがために没収した品を返してみたのだが、早速使おうとするとは予想外だったらしい。
「うぐぐ、相変わらず無茶ばっかりする娘ね」とうづき。モロに粉塵を被ったためか、全身が埃まみれだ。
「まったく、そんなことをしても逃がしはしませ……あれ?」おうまがふと何かに気付いた様子になる。
うづきはすぐに何に気付いたか分かった。壊れた牢の奥。ゴチャゴチャになった牢の中で、そのゴミに紛れて人が伸びている。
あしもだ。全身ズタボロになって半ば裸同然の格好で目を回している。ふてん丸がその様子に爆笑した。

「……はにゃあ~~」
あしもは防御もせず、思いっきり爆風に煽られたのだ。頭の中は逃げ出すことを考えるだけで精一杯だったらしい。
頭をしこたま打ったせいで大きなタンコブをこさえた彼女はひっくり返ったカエルに似た姿勢で気絶していた。
あまりにも赤裸々なその姿におうまは顔に手をやって「参った」と思った。うづきは呆れて言葉も無い。

ふてん丸は笑いながらも焦っていた。
(あれ? 爆薬意味ないじゃん!)
せっかく状況を動かそうと思ったのに…いや、たしかに爆発的に事は進んだ。文字通りに。
だが肝心要のくの一が自爆。これは想定外だ。そのくの一・あしもも完全に伸びてしまっていて、しばらく目覚めそうもない。
結果的に、おうまは得をしたことになった。始末しなければならないくの一が勝手に倒れたのだ。
後は止めを刺せばいいだけ。さっさと済ませて、うづき相手に専念すればいいのだ。
うづきがどう動こうかと考えあぐねている隙におうまは牢の中に入ろうとした。
慌てたうづきが刃を向けて戦闘体勢をとる。自業自得とはいえこのままあしもが死ぬことはない。
ある意味『らしい』とは思うが、こんなつまらない死に方をすることもなかろうとうづきは思った。
「…部下思いですねうづき様。ですが私には敵いませんよ?」
うづきの必死な姿にフッと笑みを浮かべるおうま。それは侮蔑というよりは哀れみに近い。
そしてその哀れに思う気持ちを自身にも向けてこう明かした。
「あと2回。うづき様は私を刺し殺す必要があるんですよ」
「―――は?」うづきは訳がわからず困惑する。ふてん丸もピク、と反応したがそれだけで、壁に背を預けて傍観を決め込む。
「私はね。そういうヒトなんです」とおうまは寂しげな顔で言う。
うづきは先程のおうまとの問答を思い出していた。
「おかしいでしょう?――今の貴女に私を2度、殺せますか?うづき様?」
おうまのその言葉は余裕からのものではなく、忠告に近かった。
真正面から鬼と化した自分には適うはずもない。
もう少し生きていたいのなら邪魔をせずあしもが死ぬところを見守れ。
つまり、そう言いたいのだろう。未だ下半身の痛みと疼きが癒えないうづきにすれば確かに難題だ。
「…言っておくが拙者は何もせんぞ。どうせ最後に相手する気なのだろう?」
「その通り、殿方は最後に犯しながらくびり殺します」
再び微笑しながら物騒な物言いをするおうま。美しい娘の姿だがうづきには彼女の雰囲気に畏怖の念を覚えた。
あしもは、未だに目を回している…その無防備な首筋に、おうまの細い指が当てられる―――
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